OM-1ミラーアップ不良のその後
オリンパスOM10 50mm f1.4 コダックネガ 100 (この50mmは修理教室でOHしたもの)
この季節、稲刈りが始まって田んぼがにぎやかだ。
家族総出の稲刈り、その景色を眺めるのが僕は大好きで写真を撮りに出かける。
忙しく働いていらっしゃるのに趣味でぶらぶらカメラを持って行ってお仕事の邪魔をするわけにはいかないから、声をかけて撮らせてもらってもズンズンと目の前まで出て行って写真を撮るようなことはしない。
OM10は、OM-1とプリズムが一緒で絞り優先オート(マニュアルアダプターを付ければマニュアル操作もできる)。絞りを合わせて被写界深度を合わせればピントはいじらずシャッターボタンを押すだけの簡単操作。
調べてみるとこのカメラ、ON・OFFのスイッチはあるけど、これはカメラのTTL露出機構とは全く別の露出計のみらしい。だから、スイッチがOFFでも絞り優先オートで撮影ができる。シャッターボタンを押した瞬間にTTL測光して、写真が撮れるそうだ。
今回撮影に使ったOM10は、ファインダー内の露出計表示が全く動かないのでジャンク品だった。
それでもこうしてきれいに写真が撮れるからOM10は丈夫にできているんだなぁ。
OM-1用にプリズムを取るためにジャンクのOM10を買ってくるんだけど、動くOM10ばかりで壊してしまうにはもったいない。結局、OM10がゴロゴロと部屋に転がるようになってしまった。
追記:OM系を故障していると勘違いする要因のひとつがTTL機構です。ファインダー表示と実際に切れているシャッタースピードに誤差が出てしまうことがあるために、『表示された通りのシャッターが切れていない。』と思い込んでしまうわけです。
まぁ、そういう人がいるおかけでお宝にありつけるわけですからねぇ。
ありがたいことです(笑)。
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さてさて、前置きがなが~~~くなってしまった。
前々回、修理したOM-1のミラー動作不具合について。
これはdaito cameraさんにスローモーション撮影してもらったものです。
最初に写るブラックカメラが僕のミラー動作不良OM-1、次に写るシルバーカメラが正常動作のdaitoさんのM-1です。
僕のOM-1はミラーアップが終了する前にシャッター幕が走り始めているのが観察できます。
当初、ミラーアップ動作不具合の原因について色々と推理していました。
①エアダンパーの不具合
a.これによるミラーアップ速度の遅れ
b.これによるミラーアップ時の跳ね
②シャッター幕スタートレバーを蹴飛ばすミラーボックスレバーの変形
③組み込み間違い
あらためて動画を見ると、
①ミラーアップによるバウンドはない、ミラーアップの速度遅延はない。つまり、エアダンパーの不具合はない。
ということがわかります。
したがって、不具合の原因はレバーの②変形か、③組間違い ということになります。
そこでOM-1のミラーボックスとボディーの連結部分を観察します。
僕のOMー1は 、ワインダーやモータードライブがつけられるように接点があります。
ご存知のようにミラーが上がるとミラーボックスのレバーが動いてシャッター幕をスタートさせるレバーを蹴飛ばすんですが、モードラ接点用レバーとシャッター幕スタートレバーの間にミラーボックスレバーが入らなければいけないのに、位置がずれて入っていました。
結論:③組間違い、、、、、というトホホな結果になりました。
今回、daito cameraさんにご協力いただいてスローモーション撮影をしてもらったので肉眼では見ることのできないミラーやシャッター幕の動きが観察でき、不具合箇所の推定がとても容易に行うことができました。
スローモーション撮影のできるデジカメ、買います(笑)。