カテゴリ:上海 50mmf3.5( 1 )


2012年 12月 16日

上海(shanghai)50㎜ f3.5

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僕が欲しかった上海(shanghai)50㎜ f3.5がやっと手に入りました。

いつも上海、上海、上海とぶつぶつ言っていたのでカメラ修理教室のメンバーさんが出物があるよと教えてくださって、さらに同じ教室のTさんが平日都合のつかない僕に代わってわざわざ銀座まで買いに行ってくださいました。

わがままな僕のためにおふたりにご協力いただきまして、感謝感激です。
ありがとうございました。


このレンズは、中国の「上海海鴎照相機」というカメラメーカーが作ったものだそうです。
現在では、シーガルという二眼レフが有名ですね。

幻のレンズ、紅旗50mmf1.4Mマウントなんてのもありますが、僕自身現物を見たことがないくらいと~~~っても珍しくて高価です。

さて、このレンズ。
フレアが出るだの、ピントが来ない(ピントがすれてる)だの、巷の評判はすこぶる悪い不人気レンズであります。

でも、そう言われると使ってみたくなるのが病気でして、散々修理教室の諸先輩方から「やめとけ~、やめとけ~」と言われ続けていました。

しかし、もう買っちゃったんだからしょうがない。
例のごとく、分解清掃して使いまくりましょう。

古いレンズですから、グリスはスカスカ、レンズも曇っているし、ピントがめちゃくちゃ後ピン。
う~~ん、嫌な予感がしながらもやるしかない。

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まずはレンズマウント側です。筒の中に内面反射を防ぐためでしょうか?カバーがはまっています。ドライバーなどで丁寧に浮かせてはずします。
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カバーを外すと、筒の中にレンズを押さえているカニ目が見えます。
カニ目にプライヤーを入れて左回しにはずします。

この時、押さえ環が緩んで回るとレンズも一緒に回ってしまいますので、表側(絞りレバーのあるところ)をゴムシートなどで丁寧に押さえて回らないようにしてください。

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押さえ環が外れます。
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で、厚みを調整するリングが出てきます。
後で組み立てるときに分かったのですが、実はこのリングが悪の元凶で、本来ここに入っているものではありません。
ピントが後ピンなのも、このリングがここに入っていたのが原因でした。
もし、皆さんがこのレンズを手に入れて分解したときにこのリンガがここから出てくることはないと思います。
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並べるとこんな感じ。
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銘鈑を止めているネジを外します。
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左に回すと外れます。固着していることが多く、ベンジンやアセトンなどを浸透させる必要があるかもしれません。
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レンズの塊がごろっと抜けます。
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カニ目に工具を差し込み左に回すとレンズ(前玉)が外れます。
丁寧に清掃します。
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ピントリングを制限しているネジを外します。
(写真ではレンズがはまっていますが、作業手順と写真を撮るタイミングがずれているせいなので気にしないでください。)
制限ネジを外したら、いきなり筒を抜かないでください。

まずは、ピントリングをストッパーロックを超える方向に回して(締める方向に回して)ピントリングが止まる位置を確認しておきます。

では、はずします。
はずすときには、レンズがはずれる位置も確認してください。

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はずれたら、ベンジンの中で古いグリスを洗い流します。
台座のほうも同じように洗います。

洗い終わったベンジンは、流さず容器に保存します。
次回、違うレンズを洗ったり、スローガバナーを洗ったりする時に何回か使うためです。
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きれいになったら、グリスを筆で丁寧に塗っていきます。
台座のスクリュウーに塗ったほうが良いかもしれません。

このレンズはスクリューのピッチが荒いので、粘度の高いグリスを使って回転時の抵抗感をだしました。

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次に、レンズの後ろ玉を清掃します。
わかりにくいんですが、ネジ山の右側が外れます。
左回しです。
グリスが固着していると、なかなかはずれないのでベンジンやアセトンを境目に流して緩めください。
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こんなふうに外れます。
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これがさらに二つに分離できます。
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ここまで分離できたら、レンズを清掃します。
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カビにはガラスマイペットを使います。
それでも落ちない時には、酸化セリウムを使います。
それでもダメなときは、あきらめます(苦笑)。

酸化セリウムは、ガラスマイペットを浸した清掃紙にほんの少しつけて、ガラスをそ~~~と丁寧に磨きます。
ガンガンやったらダメですよ。
傷ついちゃいます。

この上海レンズ、コーティングが薄くて柔いみたいで清掃前にコーティングが痛んでいました。
ですから、ある程度きれいになったら無理せず終了しました。

組立は逆手順でOKです。

さてさて、ここで重要な説明です。
厚さ調整リングが前の段階で出てきました。
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このリングは、鏡胴の正面に入れ、そこにレンズの塊を入れ込みます。
このリングの厚み分だけレンズは前方に出ますので、ピント位置が前に移動します。

僕のレンズはこれで無限遠がバシッとでました。

文章で書くと簡単なんですが、ピントのずれをどうするかかなり悩んで試行錯誤したんですよ。
ちょっとしたことなんですけどね。
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絞り開放。きれいにピントが来ています。
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f16。グッと背景がはっきりしてきますね。
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絞り開放。ちょっと露出オーバーですが、少しホヤホヤ感が出ていますかね?
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f8まで絞ると、かなりシャープになります。


レンズに直接光が当たる“逆光”でのテストはこれからです。
どの程度フレアがでるか、楽しみです。

インターネットでこのレンズを検索すると、酷評されている方が多いですし、試写画像もフレアーが出ていたり、ピントがないホワホワ画像が多く見受けられます。

まだじっくり使っていないのではっきりとしたことは言えませんが、レンズのくもりやレンズのピントが出ていないことが相当影響しているように思われます。

今回、自分なりにきっちり組立ててみましたが、世間の評判よりもかなりよく写ります。
僕の所有しているレンズはコーティングの痛みがかなりあるんですけど、ここまで写ったらベストだと思います。

チャンスがあれば、上海50mmレンズをほかにも手に入れて撮り比べとかしてみたいですね。
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by redbadgee | 2012-12-16 14:31 | 上海 50mmf3.5 | Comments(0)