“さよなら”が言えなかった。
僕の乗っている車のメンテナンスをして下さっていて、そして親しくさせていただいていたメカニックの方が今年2月下旬に不慮の死を遂げられた。
いつもの調子で久しぶりに電話をしたら、この世にはいなかった。
亡くなるほんのちょっと前まで普通に会っていたのに。
何かひと言、言ってくれてもいいのに、、、、。
と思ったが、よく考えてみたら「明日俺死ぬからさ。またね。」なんて言う人、いるはずもなく。
ある日突然、、、、死を迎えると言うのはこんなものなのかもしれない。
最後に会ったとき、僕は古いカメラを手渡された。
「もう使ってないからさ。あげるよ。」
普段からそんなことはしてくれたこともなかったし、僕がカメラや写真にのめりこんでいることだってそんなに話したことなんてなかった。
だからその瞬間、“えっ、どうして?”と、ふと頭をよぎるものがあった。
でもまぁ、使わないカメラをもらうことなんてよくあることだし、いつものことだと丁重にお礼を言っていただいた。
もしかしたら、その時にはすでに心には覚悟があって、それで僕にカメラを下さったのかもしれない。
もしかして、あの時何か聞き返していたら、、、
もしかして、何とかできたんじゃないか、、、、色々なことが頭を巡る。
捨てることのできない、そして手渡されたその瞬間のことを忘れられない、形見となったカメラ。
ご家族の様々な瞬間を写し続けてきたそのカメラが、いま僕の手元にある。
このまま持っていてもいいものか、それともご家族にいつか返したほうがいいのだろうか。
色々なことが頭を巡る。
とても残念だ、。故人のご冥福をお祈りします。
追記:色々なことが重なって、がっくりきています。家は融資OKの好条件が出ましたが、精神的に参ってしまってひとまずキャンセルさせていただきました。なんだかうまくいかないものです。